イーロン・マスク

生誕  1971年6月28日(51歳) 南アフリカ共和国、トランスヴァール州プレトリア
住居  カリフォルニア州ロサンゼルス
出身校 ペンシルベニア大学経済学部卒業、同大学理学部卒業
職業  起業家、エンジニア
著名な実績  スペースX PayPal テスラ ハイパーループ Zip2 ソーラーシティ
公式サイト  twitter.com/elonmusk

 

イーロン・リーヴ・マスク(Elon Reeve Musk, 1971年6月28日 - )は、米国の実業家・エンジニア。電子決済企業PayPal社の前身X.com社の共同設立者。宇宙開発企業スペースX創設者およびCEO、電気自動車企業テスラ(Tesla Inc.)共同創設者およびテクノキング(CEO)、BMI企業ニューラリンクCEO、SNS企業Twitter(Twitter, Inc.)の完全所有者およびCEO。
ペイパルで新たな決済サービスを作り出したほか、電気自動車、宇宙開発、太陽光発電などのビジネスで成功を収め、当時没落していたそれらの業界を再興させた。
フォーブスの長者番付によると2021年時点で3020億ドルの資産を有する。世界で初めて資産が3000億ドルを超えた人物。2022年推定保有資産は2190億ドル(約27兆円)。世界長者番付第1位の人物である。
2016年12月、フォーブスの世界で最も影響力のある人物ランキング21位に選出された。2019年にフォーブスが発表した「アメリカで最も革新的なリーダー」ランキングではAmazon.com (アマゾン)CEOのジェフ・ベゾスと並び第1位の評価を受けた。
イーロンマスクの弟が起業した、テスラの子会社ソーラーシティの会長も務めている。

 

ベンチャー起業で成功
1995年に高エネルギー物理学を学ぶためスタンフォード大学の大学院へ進学する。電気自動車用のバッテリーを作るためだったが、インターネットの勃興によって方針を転換する。当初はブラウザを世界で初めて開発したネットスケープに入社しようと思い立ち、履歴書を持って本社まで足を運んだが、恥ずかしさと恐怖のあまり人に話かけることができず入社を断念する。
その後大学院を休学して、弟キンバルとともに、オンラインコンテンツ出版ソフトを提供するZip2社を起業した。当時のマスクはCEOの役割を理解してなかったが、1年間だけCEOを務めた。大学院は2日在籍しただけで退学した。
この会社はのちにコンパック社のAltaVista部門に3億7百万ドルで買収され、マスクは2,200万ドル(約25億円)を手にした。
1999年にはオンライン金融サービスと電子メールによる支払いサービスを行うX.com社の共同設立者となる。X.com社は1年後にコンフィニティ社と合併し、これが2001年にPayPal社となる。同社は2002年にeBayに買収され、マスクは1億8000万ドル(約200億円)を手にした。マスクはこの資金を元にテスラとスペースXを立ち上げることになる。
2002年に3つ目の会社として、宇宙輸送を可能にするロケットを製造開発するスペースX社を起業し、CEOならびにCTOに就任している。スペースX社は民間による宇宙旅行を実現するベンチャー企業として、世界中から大きな注目を集めた。開発を続ける再使用型ロケットの完成はアメリカとスペースXに圧倒的な利益をもたらすとされる。
また、2004年には前年に設立された電気自動車ベンチャーであるテスラ・モーターズ社に出資し、同社の資金調達ラウンドを主導して自身は会長に就任。2008年には同社の最初のモデル「テスラ・ロードスター」の市販車第一号「0001」を自ら所有する。同年10月には同社の第4代CEOに就任した。
2006年には太陽光発電会社ソーラーシティ(英語版)を従兄弟であるリンドン・ライヴ(英語版)と共同で立ち上げ同社の会長に就任した。
2009年にはテスラ・モーターズの創設者の1人でありながらマスクにイニシアティブを奪われて同社を追われたマーティン・エバーハードから、契約違反ならびに「創設者または作成者であると誤って主張することによって歴史を書き直そうとした」と訴えられたが、後に和解。その際に、実際の創設者であるエバーハードとマーク・ターペニングに加え、マスクら3名を共同創設者として認めることで決着した。
2012年にはスペースXが国際宇宙ステーションに宇宙船を打ち上げ、テスラはEV 「モデルS」 を発売した。これによってマスクは宇宙と自動車というまったく別の業界で偉業を成し遂げ、スティーブ・ジョブズに例えられる存在になった。

 

近年の活動
2013年には800マイル毎時 (1,300 km/h)の輸送機関ハイパーループ構想を明らかにした。2015年、人工知能 (AI) 研究の非営利団体OpenAIを設立。2016年、トンネル採掘会社であるボーリングカンパニー社およびブレイン・マシン・インタフェース企業のニューラリンク社を起業。
2014年9月に訪日して安倍晋三首相と会談した。来日した際にラーメン二郎新宿歌舞伎町店に立ち寄ったことがTwitterで話題になった。
2017年にドナルド・トランプ大統領のもとで、大統領戦略政策フォーラムのメンバーだったが、トランプがパリ協定離脱を表明したことに抗議し、6月に辞任した。米国政府への一定の影響力も保っており、2018年3月にはマスクの要請を受けてトランプは中国に自動車輸入関税の引き下げと外資の単独出資を認めるよう要求し、翌4月に中国もこれを受け入れたため、6月にマスクはテスラ初の海外工場「ドレッドノート」(ギガファクトリー3(英語版))を上海に建設することを発表した。
2018年、王立協会フェローに選出。同年8月、テスラの株式非公開化のために「1株あたり420ドルで買い戻すための資金が確保された」という趣旨のツイートを行い、証券取引委員会から詐欺の疑いで連邦地裁に提訴される。翌月、2000万ドルの制裁金を支払った上でテスラの会長を辞任し、事態を収拾させた。その後も同社のCEO職は継続している。
2021年8月に「AI Day」を開催し、スーパーコンピュータ「Dojo」のD1チップ、そして人型ロボット「Tesla Bot」の2つを発表した。2022年に完成予定としている。 制作目的は「ロボットが我々の日常生活から、危険で反復的な退屈な仕事をなくす」こと。 加えて、「本質的に将来、肉体労働は選択肢のひとつになる」と主張し、「私たちの経済は基本的に労働力で成り立っているため、ロボットを単純労働に使用すれば(そして人間が頭脳労働に専念すれば)、無限の成長が可能になる」とのこと。本機は8台のオートパイロットカメラやFSDコンピュータなどテスラ車の技術を統合しており、「顔」に相当する部分にはヘッドマウントスクリーンや40個の電気機械式アクチュエーターを搭載し、人間のように動き、ディスプレイに情報を表示することができる予定。 また身長5フィート8インチ (1.73 m)、体重125ポンド (57 kg)というスペックを持っていて、45ポンド (20 kg)までの荷物を運ぶことができ、150ポンド (68 kg) までのデッドリフトが可能で、時速5マイル (8km/h) までの速度で歩いたり走ったりすることが可能。さらに人間と同等、もしくは超越する知能を持つAIである汎用人工知能を利用する可能性を示唆している。日本でもソフトバンクのビジネスイベント「SoftBank World 2021」においてグループ会長兼社長の孫正義氏が本機を念頭にスマートロボットへの本格的投資計画を発表した。
2022年、ロシアによるウクライナへの侵攻開始後、ミハイロ・フェドロフによるSNSを通じたウクライナへのスターリンクの提供依頼に対し、わずか10時間半後に快諾する旨を返信、スターリンクの端末をウクライナへ送り、インターネットアクセスを提供した。その行動はゼレンスキー大統領に称賛された。同年10月までに、スペースXはウクライナに対して約2万台のスターリンクを"寄付"しており、重要なインフラや政府機関などに安定したインターネット接続を提供している。スペースXは、スターリンクが自動車のシガーソケットから給電できるように、消費電力を減らすためのソフトウェアを更新した。端末の数とその需要に鑑み、スペースX社はウクライナに事務所を開設することを決定した。同年6月9日、スターリンク Ukraineはオペレーターとして正式な登録を受けた。
スターリンクに加え、マスクはテスラのパワーウォールステーションをウクライナに引き渡した。これは、停電時にバックアップ電力を提供するソーラーステーションと二次電池で、ロシア軍の占領によって最も影響を受けた集落で使用されている。電力の復旧を待つのではなく、重要なインフラを再び稼働させる必要がある状況が多く、このソリューションが重宝された。本格的な侵攻が始まって以来、ウクライナは44台のテスラパワーウォールを受け取っている。
一方で、彼はスターリンクでロシア国営メディアのブロックを拒否し、自らを「言論の自由絶対主義者」だと宣言している 。
2022年10月28日には440億ドル(約6兆5000億円)でTwitter社を買収、及び所有権を得た。

 

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