領空の高さはどこまで

領空の高さはどこまでですか。

 

 領空の高さを知るためには、宇宙空間との関係をふまえる必要があります。1967年に発効した「宇宙条約」では、宇宙空間の領有が禁止されています。よって、地表(領海上は水面)から宇宙空間に至るまでの空間が領空となります。
 では、宇宙空間はどこから始まるのでしょうか。
 実は、宇宙空間を定義することは領空の上限を定義することになるため、各国の利害関係から明文化された国際条約は存在しません。
 一般的には「地球の大気圏の外側が宇宙空間」とされますが、どこまでを大気圏とするかもとらえ方によって異なります。そのため、1950年代に宇宙開発が始まったときに国際航空連盟という民間団体が、地上から100kmを宇宙空間と大気圏の境界線と定義しました。
 これはロケットや人工衛星が地球大気圏を脱出するための軌道速度(宇宙速度)を計算する際に、高度100kmが基準として用いられたとのことです。
 この境界線は「カーマンライン」とよばれ、現在に至るまで大気圏と宇宙空間との境界線の定義として、様々な分野で活用されています。
 結論として、領空の高さについても「カーマンライン」が慣習的に用いられ、領土・領海の上空で宇宙空間に至るまでの大気圏、つまり高度100kmまでの空間が領空であるとされています。

 

 

 

 

 

 

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