今月のニュースから

5月12日(水)検査を受けた介護施設の公表を 厚労省、クラスター防止へ自治体に通知
 新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、厚生労働省は介護施設でのクラスターを防ごうと職員、利用者に対する検査に力を入れている。大都市の自治体などに実施を求めている集中的検査について、介護施設の受検率をできるだけ高めるよう呼びかける通知を10日に改めて発出した。
 厚労省は通知のなかで、受検した介護施設の同意を得たうえでその名称、所在地、サービス種別などを都道府県の公式サイトで公表することを勧めた。利用者や職員の安心につながると説明。介護施設の協力が得やすくなるという考えもある。
 あわせて、個々の介護施設への電話や関係団体への働きかけも徹底するよう要請。まだ集中的検査を受けたことがない介護施設には、より積極的に受検を促すよう求めた。
このほか通知では、介護施設のサービス種別によって集中的検査の実施状況に格差があると指摘。より的確な対応につなげたいとして、サービス種別ごとに進捗を報告(Excel様式も公表)するよう自治体に指示した。   (介護jointニュース)

 

5月12日(水)ECビジネスやデジタル化など支援の「IT導入補助金2021」1次公募の締切は5/14まで
 ITツールを導入した中小企業に政府が補助金を交付する「IT導入補助金2021」の1次申請の期限は、5月14日(金)17時までとなっている。2次公募の締め切りは7月中旬頃の予定。 IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者が抱える課題、ニーズに合ったITツールを導入する経費の一部を補助することにより、業務効率化や売上アップをサポートする制度。
 「IT導入補助金2021」では、通常枠(A・B類型)に加え、非対面型ビジネスモデルへの転換、テレワークや在宅勤務環境の整備といったことに取り組む中小企業・小規模事業者などに対して、通常枠よりも補助率を引き上げて優先的に支援する低感染リスク型ビジネス枠(特別枠:C・D類型)を追加している。 通常枠の交付額(補助金申請額)はA類型が30万〜150万円未満、B類型が150万円〜450万円以下で、補助率は導入費用の50%以内。低感染リスク型ビジネス枠のC類型-1が30万〜300万円未満、C類型-2が300万〜450万円以下、D類型が30万〜150万円以下で、補助率が2/3以内。 補助対象者は中小企業、小規模事業者など(飲食、宿泊、小売・卸、運輸、医療、介護、保育等のサービス業、製造業、建設業なども対象)。 IT導入補助金の補助対象はソフトウェア費、クラウド利用費、専門家経費など。低感染リスク型ビジネス枠(特別枠:C・D類型)はハードウェア(PC、タブレット、スマートフォンその他接続機器など)レンタル費なども対象になる。

 

5月13日(木)介護の資格とマイナンバーひも付け、手続き効率化へ3年後開始 関連法成立
 デジタル庁の創設などを柱とするデジタル改革関連法が、12日の参院本会議で可決・成立した。介護現場を支える人にはほとんど関係のない話、というわけではない。各種資格とマイナンバーのひも付けを進める措置が盛り込まれている。
「国民にとって手続きの簡素化や迅速化につながる。国会でもしっかり議論して頂いたので期待に応えたい」
 平井卓也デジタル改革担当相は本会議後の会見でこう述べた。「色々と新しいことができるようにしたい」。
 新たにマイナンバーとひも付けられるのは、医療・介護の主要な資格ほぼ全て。医師、薬剤師、看護師、リハ職、介護福祉士、社会福祉士、ケアマネジャーなど31資格(*)が対象となる。政府はシステム設計・開発などの準備を経て、2024年度にも運用を開始する方針だ。
* 対象資格
 医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、視能訓練士、義肢装具士、言語聴覚士、臨床検査技師、臨床工学技士、診療放射線技師、歯科衛生士、歯科技工士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、救急救命士、介護福祉士、社会福祉士、精神保健福祉士、公認心理師、管理栄養士、栄養士、保育士、介護支援専門員、社会保険労務士
 目的は専門職と行政、双方のペーパーワークの軽減、事務作業の効率化にある。
 例えば最初に資格の登録をする時、あるいはその情報を変更する時。マイナンバーとひも付けられれば、戸籍抄(謄)本や住民票の写しなどをわざわざ窓口へ持っていく手間が省ける。就職先など第3者への資格の証明も、マイナポータルにログインすればスマホなどで行えるようになる。
 厚生労働省はこうした構想を有識者会議で検討し、今年1月に取りまとめていた。今後、医療・介護の専門職にマイナンバーの登録を呼びかけていく考えだ。   (介護jointニュース)

 

5月14日(金)青森県内2020年度 困窮高齢世帯増加/生活保護の63%占める
 青森県は14日、2020年度に県内で生活保護を受けた世帯(月平均)が、19年度比171世帯減の2万3741世帯だったと発表した。過去最多だった17年度の2万4065世帯から、3年連続で減少している。一方で、65歳以上の高齢者世帯の受給は増加傾向が続き、20年度は全体の63.2%を占めた。
 県健康福祉政策課によると、生活保護を受給している世帯全体に占める高齢者世帯の割合は、13年度から5割を上回り、18年度以降は6割を超えている。20年度の高齢者世帯の受給は1万4998世帯で、16年度と比較して4年でおよそ1割増えている。  
 同課の担当者は「高齢化の進展が、高齢者世帯割合増加にも反映されている。介護サービスの利用などで、従来の生活費に加え負担が必要になった世帯が、生活保護を申請する事例もみられる」と説明した。
 県全体の受給者数は、月平均で2万8865人。人口千人当たりの生活保護受給者の割合(保護率)は、県平均で23.42人と、前年度からほぼ横ばいとなった。全国平均は、19年度のデータで千人中16.4人。
 新型コロナウイルス感染症に伴う影響は、目立ってみられなかった。一方で同課は、コロナ禍の状況が長引けば、申請件数が増える可能性はあるとしている。   (東奥日報)

 

5月15日(土)介護保険料、65歳以上月6014円に…当初の倍
 厚生労働省は14日、65歳以上の高齢者が支払う介護保険料が、4月から全国平均で月6014円になったと発表した。2000年度にスタートした介護保険制度で、6000円を超えたのは初めて。要介護者の増加などで介護保険料は上昇が続いており、制度開始当初の2911円から約2・1倍の水準にまで上昇した。

 65歳以上の高齢者の介護保険料は、市区町村が今後の介護需要などを考慮し、3年ごとに見直している。

 厚労省の集計によると、4月の改定では全国平均が改定前の5869円から145円上がった。上昇率は2・5%で、前回18年4月の改定での上昇率(6・4%)よりも小さかった。
 最高額は東京都青ヶ島村の9800円、最低額は北海道音威子府(おといねっぷ)村と群馬県草津町の3300円で、約3倍の開きがあった。大阪市は8094円、福岡市は6225円、横浜市は6500円だった。
 改定前より引き上げた市区町村は全体の48・6%で、前回の78%より少なかった。据え置きは36・2%(前回16・3%)、引き下げは15・2%(前回5・7%)だった。新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあり、介護保険料の余剰金を積み立てた「介護給付費準備基金」を取り崩すなどして、半数以上が保険料を据え置いたり、引き下げたりしていた。
 厚労省の集計によると、団塊の世代が全て75歳以上となる25年度には、全国平均で月6856円に上昇する見通しだ。
 介護保険料は、一定額以上の年金を受給する高齢者の場合、原則として年金から天引きされる。被災や収入減など条件付きの減免制度を設ける自治体もある。   (読売新聞社)

 

5月19日(水)ケアプラン、有料化に反対 介護支援専門員協会
 日本介護支援専門員協会(柴口里則会長)は4月30日、ケアプラン作成(居宅介護支援)に利用者負担を導入することに反対する声明を出した。「居宅介護支援は利用者支援にとどまらず、家族や地域の高齢者を含めた総合的な支援の役割も担っており、他のサービスと役割や機能が違う」と訴えている。
 声明は同15日に開かれた財務省の財政制度等審議会財政制度分科会で「他のサービスで利用者負担があることも踏まえれば、居宅介護支援に利用者負担を導入することが自然」と提示されたことを受けたもの。
 分科会では「利用者が自己負担することでケアプランに関心を持ち、ケアマネジャーのサービスのチェックと質の向上につながる」とも指摘。それに対して同協会は「利用者は生活の質に関わることとして既に意識しており、現実と乖離している。保険者機能の充実を図るなどして不適切事業所へのチェック機能を強化すべきで、利用者にさらなる負担を課すべきではない」と反論している。
 なお分科会では、10兆円を超える介護費用を抑制するため、利用者負担の原則2割、区分支給限度額の例外措置見直し、統合・再編による介護施設の運営効率化なども提言している。   (福祉新聞)

 

5月20日(木)コニカミノルタの見守りサービス、LIFEやBCPに対応 サブスクで提供開始へ
 コニカミノルタQOLソリューションズは、介護施設向けの見守りシステム「HitomeQ(ひとめく)ケアサポート」の新プランの提供を7月から開始する。今年度の介護報酬改定で生じた施設のニーズに対応する。
 介護保険の新たなデータベース「LIFE」の活用、関連加算の取得をサポート。スマートフォンアプリの機能を拡充し、利用者情報の収集・整理などをより効率的に行える仕組みを加える。
 あわせて、BCP(事業継続計画)の策定や夜勤シフトの最適化もバックアップする。見守りシステムで得られるデータを用いて日々の業務を可視化し、現場のオペレーションをどう設計したらいいかなどを助言していく。いずれのサービスでも、コニカミノルタの担当者が施設からの相談に直接応じていく体制を準備しているという。
 こうした新たなオプションを含む全てのサービスがサブスクリプションで提供される。初期投資を低く抑えられるメリットがあり、個々の施設の課題にあわせてLIFE、BCPなどの追加メニューを選べる形だ。
 コニカミノルタの「HitomeQケアサポート」は、居室の天井に設置する行動分析センサーで入居者の状況をつぶさに把握し、介護職のスマホへ映像とともに伝えるサービス(プライバシーには配慮)。申し送りや連絡、ケア記録をスマホでリアルタイムに行える機能や、転倒・転落といった事故の際にエビデンス映像を自動で残す機能なども備えている。   (介護jointニュース)

 

5月21日(金)入院できない高齢感染者 施設内療養に最大15万円の補助
 厚生労働省は21日、新型コロナウイルスに感染した高齢者施設の入所者が病床の逼迫(ひっぱく)などにより病院に入院できずに施設での療養を続けた場合、感染者1人当たり最大15万円の補助金を施設に支給することを決めた。感染者への対応で業務負荷が増しているとして、業界団体などが支援を求めていた。
 新たな補助金は、病床の逼迫などにより入所者が施設内で療養を続ける場合、居住空間のゾーニング(区分け)や感染者の隔離、感染者を担当する職員の勤務調整などのため追加で発生する経費への補助として設ける。特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの高齢者入所施設が対象。感染者1人につき最大で15万円支給し、15日以内に入院した場合は、1日当たり1万円を支給する。施設で死亡した場合は、施設内療養の日数にかかわらず補助額は15万円とする。今年4月分から適用する。
 国は高齢者が感染した場合は原則入院の方針を示しているが、新型コロナの「第4波」で病床が逼迫する中、感染しても施設内で療養を続ける高齢者が増加。厚労省の集計によると、感染者が2人以上出た高齢者施設は全国で少なくとも1498件(17日時点)で、施設別で最多となっている。大阪府は今月17日、3月以降に新型コロナのクラスター(感染者集団)が発生した6カ所の高齢者施設で計25人が死亡したと発表。入院を待つ間に施設で亡くなった人もいたという。   (毎日新聞)

 

5月21日(金)介護の利用者負担、原則2割に 財政審が報告書 ケアプラン有料化も
 財務省の「財政制度等審議会」は21日、財政健全化に向けた施策を提言する報告書(建議)を麻生太郎大臣に提出した。政府が来月にも閣議決定する今年度の「骨太方針」に反映するよう求めている。
 介護分野では利用者の自己負担に言及。現行では全体のおよそ90%の利用者が1割負担となっているが、これを’原則2割負担’へ改めていくよう注文した。あわせて、居宅介護支援のケアマネジメントでも自己負担を徴収すべき(現行は10割給付)と主張した。次の2024年度の制度改正をめぐる大きな焦点となる見通し。
 こうした提言は、これから高齢化が更に加速していくことを念頭に置いたもの。財務省は膨らみ続ける給付費をなるべく抑制したい考えだ。保険料の上げ幅を小さく留め、現役世代の負担の軽減につなげる狙いもある。報告書には、「制度の持続可能性を確保するためには、給付範囲の見直しに取り組む必要がある」と明記した。
 居宅のケアマネジメントについては、「制度創設から約20年が経ちサービスが定着した。他のサービスに自己負担があることも踏まえれば自己負担の導入は当然」と持論を展開。「利用者は自己負担を通じてケアプランに関心を持つ。ケアマネジャーのサービスのチェックと質の向上にも資する」とも指摘した。   (介護jointニュース)

 

5月28日(金)厚労省、小多機の利用定員の基準を弾力化 自治体の柔軟な判断も可能に
 第11次地方分権一括法が26日に公布された。自治体などからの要望を踏まえ、小規模多機能の利用定員の基準を弾力化することが盛り込まれている。
 厚生労働省はこの日、介護保険最新情報のVol.982で見直しを周知した。
 小多機の利用定員の基準は従来、全国一律で必ず適合しなければならない「従うべき基準」と位置付けられていた。今回、これが「標準基準」に変更される。自治体が合理的な理由を説明できれば、地域の実情に応じた独自の基準を条例で定めることも可能となる。施行は公布日から3ヵ月後の8月26日。
 厚労省は既に、今年度の介護報酬改定をめぐる議論のプロセスでこうした方針を決めていた。自治体の関係者などから、「利用定員の上限があるため地域のニーズに柔軟に応えられない」「利用定員の基準が弾力化されれば、過疎地などで効率的な体制をつくりやすくなる」などの声があがっていた経緯がある。   (介護jointニュース)

 

5月30日(日)全国の介護施設で感染9490人
 高齢者が入所する介護施設で、新型コロナウイルスに感染した入所者が全国で少なくとも累計9490人おり、このうち486人が亡くなっていたことが30日、共同通信の調査で分かった。46自治体が、入院が必要にもかかわらず施設にとどまった高齢者がいたと回答した。昨年5月に共同通信が実施した同様の調査では、感染した入所者は474人、死者79人。感染者は1年で約20倍となった。非公表とする自治体もあり、実際の数はさらに多いとみられる。
 介護現場では本来の業務に加え、感染防止策、コロナ療養も担うなど負担が激増。感染弱者の高齢者に病床逼迫のしわ寄せが及んでいる恐れもある。   (共同通信社)

 

5月31日(月)高額介護サービス費、8月から見直しへ 施設の食費の自己負担も 厚労省通知
 介護保険では8月から利用者の自己負担が一部変更になります!
 厚生労働省は28日、現場の関係者らに改めてそうアナウンスする通知を発出した。介護保険最新情報のVol.985で周知している。
 8月から変更になるのは以下の2点だ。
○ 施設で暮らす低所得者の食費や居住費を助成する「補足給付」。
○ 利用者の月々の自己負担に上限額を設け、それを超えた分を払い戻す「高額介護サービス費」
 厚労省はこれらの趣旨や内容を分かりやすくまとめたポスター、リーフレットを公表。利用者の間でも理解が進むよう、事業所での掲示・配布などに協力して欲しいと呼びかけている。
 今回の見直しはいずれも、負担の公平性や制度の持続可能性を高めていくこと、その能力に応じた負担を個々の利用者に求めていくことが狙い。
 補足給付では、助成を受ける際の条件となる預貯金の上限額が以下のように変わる。

 

 補足給付では加えて、食費(日額)の負担限度額が以下のように改められる。居住費の負担限度額に変更はない。

 

 一方、高額介護サービス費の見直しでは、現役並みに所得がある層の自己負担の上限額が細分化される。現行は4万4400円で一律となっているが、より年収の高い層の自己負担が引き上げられることになる。現役並みの所得に至らない一般区分などは変更なし。

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