就労継続支援B型事業について

就労継続支援は、訓練?か仕事か?
 就労継続支援B型は、A型や就労移行、自立訓練などと同じく「訓練等給付費」に区分されています。(障害福祉サービスは、介護給付、訓練等給付、地域相談支援給付に分かれています。)
B型は、生産活動もしますが、訓練の意味も含まれています。

 

就労移行支援や自立訓練は、2年間の有期限サービスで訓練期間が限定的です。
一方、B型は訓練期間が決まっていません。
B型の多くは、生産活動に取り組んでいます。
生産活動の内容は様々です。

 

B型の利用者の方は、B型事業所に雇われているわけではないので雇用契約を結んではおらず、利用契約を結んでいます。
福祉的就労ともいいます。働いた成果は、工賃として支給されます。

 

工賃は、生産活動で得た収入から必要な経費を差し引いて残った分を利用者に分配する方法が取られています。
訓練等給付費から支払ってはなりません。

B型の利用者に支払う金額は、B型の生産活動の収入次第であり、雇用するA型の最低賃金よりは、相当低くなっています。
1日の利用時間は、訓練の時間と作業の時間から構成されます。
訓練の時間は、生産活動を行っていないので、本来は収入となりません。
また、訓練の時間は、例えば、20分から30分として、短い時間である場合もあります。この時間に朝礼やラジオ体操を行うこともあります。
同一作業は同一工賃で、差をつけるべきではないとされます。
ただし、皆勤賞、精勤賞等の規定を定めて工賃以外に支給したり、盆暮れに何らかのものを差し上げることもあります。
ある程度の就労能力と意欲がある障害のある方の日中の居場所としてもB型の意義はあります。
就労以外に、日常の生活訓練の支援(社会資本の利用方法の習得や行事等への参加)等を行うことも大切です。
就労継続支援事業なので、自力で通勤し、決められた日に決められた時間就労できることが前提で、かつ支援員の指導に従い、就労者同士協調できることが必要です。利用者の方にとって、就労継続支援以外の日中活動の方が適しているかどうかをいつも利用者、ご家族、支援員は考えてみる必要があります。
1999年ILO(国際労働機関)総会にて、「ディーセントワーク」という言葉が用いられました。
ディーセント・ワークとは、権利が保障され、十分な収入を生み出し、適切な社会的保護が与えられる生産的な仕事を意味します。それはまた、全ての人が収入を得るのに十分な仕事があることです。」
言い換えれば、「働きがいのある人間らしい仕事」とは、まず仕事があることが基本ですが、その仕事は、権利、社会保障、社会対話が確保されていて、自由と平等が保障され、働く人々の生活が安定する、すなわち、人間としての尊厳を保てる生産的な仕事のことです。
(ILOのwebサイトより)

 

B型の利用者の方にとっても、ディーセントワークは大切な視点です。
仕事が保証され、社会とのつながりの中で人間らしい働きがいのある生活を営むことは、人生を豊かにしますし、QOLの向上にもつながると思います。

 

B型の事業所運営に必要な収入(報酬単価)の区分は、利用者工賃の平均支給額で7段階に分けられていて、平均工賃が高いと報酬が高くなる仕組みです。
つまり、事業所の評価軸を利用者工賃にしています。

 

就労継続支援B型サービス費(I) (7.5:1)
(1) 定員20人以下
(一) 平均工賃月額が4万5千円以上の場合 ( 649単位 )
(二) 平均工賃月額が3万円以上4万5千円未満の場合 ( 624単位 )
(三) 平均工賃月額が2万5千円以上3万円未満の場合 ( 612単位 )
(四) 平均工賃月額が2万円以上2万5千円未満の場合 ( 600単位 )
(五) 平均工賃月額が1万円以上2万円未満の場合 ( 589単位 )
(六) 平均工賃月額が5千円以上1万円未満の場合 ( 574単位 )
(七) 平均工賃月額が5千円未満の場合 ( 565単位 )

 

(2) 定員21人以上40人以下
(一) 平均工賃月額が4万5千円以上の場合 ( 575単位 )
(二) 平均工賃月額が3万円以上4万5千円未満の場合 ( 555単位 )
(三) 平均工賃月額が2万5千円以上3万円未満の場合 ( 544単位 )
(四) 平均工賃月額が2万円以上2万5千円未満の場合 ( 534単位 )
(五) 平均工賃月額が1万円以上2万円未満の場合 ( 524単位 )
(六) 平均工賃月額が5千円以上1万円未満の場合 ( 511単位 )
(七) 平均工賃月額が5千円未満の場合 ( 503単位 )

 

日中活動系サービス(障害者総合支援法)
療養介護[障害者総合支援法]
医療と常時介護を必要とする人に、医療機関で機能訓練、療養上の管理、看護、介護および日常生活のお世話をします。

 

生活介護[障害者総合支援法]
常に介護を必要とする人に、日中、食事や入浴、排泄の介護などをおこなうとともに、創作的活動または生産活動の機会を提供します。

 

自立訓練(機能訓練)[障害者総合支援法]
自立した日常生活または社会生活ができるよう、一定期間、身体機能または生活能力の向上のために必要な訓練をおこないます。

 

自立訓練(生活訓練)[障害者総合支援法]
自立した日常生活または社会生活ができるよう、一定期間、身体機能または生活能力の向上のために必要な訓練をおこないます。

 

宿泊型自立訓練[障害者総合支援法]
居室、その他の設備の提供をするとともに、家事等の日常生活能力を向上させるための訓練、生活等に関する相談及び助言、その他の必要な支援をおこないます。

 

就労移行支援(一般型)[障害者総合支援法]
一般企業などへの就職を希望する人に、一定期間、就労に必要な知識および能力の向上のために必要な訓練をおこないます。

 

就労継続支援(A型)[障害者総合支援法]
一般企業等での就労が困難な方に、働く場を提供するとともに、知識および能力の向上のために必要な訓練をおこないます。(A型〜雇用型)

 

就労継続支援(B型)[障害者総合支援法]
一般企業等での就労が困難な方に、働く場を提供するとともに、知識および能力の向上のために必要な訓練をおこないます。(B型〜非雇用型)

 

就労定着支援[障害者総合支援法]
一般企業等への就労に移行した方の継続を図るため、施設の職員が企業・自宅等への訪問を行ったり、関係者の来所による連絡調整、指導、助言等を行う。

 

自立生活援助[障害者総合支援法]
障害者支援施設やグループホーム等を利用していた障害者で一人暮らしを希望する方に対して、本人の意思を尊重した地域生活を支援するため、一定の期間にわたり、定期的な巡回訪問や随時の対応により、障害者の理解力、生活力等を補う観点から、適時のタイミングで適切な支援を行う。

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