土地の境界について

2020年6月29日

 

 経験したことのない新型コロナウィルスの大流行によって、緊急事態宣言が発令された。都道府県の超える移動は自粛を求められ、この制限が解除された後も、6月19日までは首都圏との移動を禁じられていた。
 老人ホームを首都圏以外で経営するものとして、安易に首都圏に出張するということはこれまでのようには、出来ないこととなり、地方にいることが多くなった。
 私どもの法人では就労継続支援の利用者の方々やあるいは老人ホームの方々に直接あるいは間接に役に立つよう山林を所有し管理している。
 この首都圏への出張が出来ない間に、法人の所有している山林の現状をじっくりと見て境界を再確認し、その他当法人が所有している老人ホームなどの土地の境界も、皆で共通の認識を持とうと思った。
 東京の事業所は全て借りているのだから、所有しているわけではない。仙台のメインの施設であるクローバーズ・ピアワッセの土地建物は法人の所有であるけれども、その他、現在使っている土地のほんの一部は仙台市から借用している部分があり、それを明示するために舗装面に鋲が打ってある。
 これをスタッフ皆の共通認識とするためにまずは公図を取ってみた。最近の公図と様子が違い、明治の作成と記載されている。
 私の知識が乏かったのだけれども、土地の図面と言えば公図、しかしその後、国土調査が場所によっては違うけど、30年、40年あるいはそれ以上前に終わっている所があり、その成果によって基本的には街中の土地は国土調査の成果によって境界などが確定していると思ってきた。
ところが今は世界標準の世界測地計によって座標が定められており、基準点から緯度経度でどのくらい離れた場所にあるかということで目標地点の座標が出てくる。
 この図面は、公図ではなく、法第14条地図であり、この地図には、右上隅と左下隅に座標番号が書いてあるということを初めて知った。求めたい場所の地点の座標は、三角スケールを使って、算定することができる。
 それにスマホで今自分が立っている所の座標を確認することが出来る。そう思い勇んで山に行ってみた。
 しかし、スマホでは誤差の範囲がとても大きいことが分かった。さらに現実の土地、特に山林などとなると二点間の水平距離だけではなくて角度を含めて見なければ実際の所は分からない。
 どうしたらいいのか色々試行錯誤をした結果、地図上でペンのようなものでなぞると1000分の1、600分の1、200分の1などという縮尺をそれぞれ設定して、二点間を図ると距離が出ることが分かった。
 またグーグルアースに座標点を入れるとグーグルアース上でその座標点が明示されることも分かった。
 そしてやっと14条地図自体をグーグルアースの航空写真に重ね合わせて見ることも出来るようになった。
 そうすると今度は求めたい地点の座標は大まかにはどのへんにあるかというのは、グーグルアースと14条地図が重なって印刷できるので、大まかにはどのへんか分かる。
 次にはどうしたら誤差の大きい現在地点を、GPSの地点をピンポイントで定めることが出来るかが悩みどころであった。
 他方、今年になってからホームページの充実ということを目標にドローンを使っている。そうするとGPSの信号が1つだけではなく、10幾つ受信して極めて正確にピンポイントで地点を出すことが出来るようである。
 これに対してスマホのGPSはどうも誤差が大きく、しかも地点が不安定で定まらないので、これを強化するものとして様々なものを探した。
 測量士が使う高額なトータルステーションなどの機械もあるけれども、私どもであればほんの小さな機械をBluetoothで同期することによって、相当程度正確になる事が分かった。

 また、座標点であるけれども六十進法で見た時に1秒が20メートル前後であることが分かり、秒以下の単位で小数点1位であれば2メートル前後、小数点2位であれば20センチ前後、さらに小数点3位であれば2センチ前後ということになるようだということも分かった。

 でも、山や畑や田んぼは昔から打木という境を示す木を植えてあることが多く、それらが相当程度正確に土地の境界を示していることも分かった。
 よって、この自粛期間に私どもの法人で所有する土地については基本的に14条地図とグーグルアースを重ね合わせた航空写真を全て持つことが出来た。

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