「コンテイジョン」を見て

2020年4月22日

 

 2011年アメリカで作成された感染症パンデミックの映画である。

 日々幾何級数的に感染者が増えていく恐ろしさ、そして見えない感染症に対する恐怖心が突然にパニックをもたらす。
 パニックは、社会の秩序を崩壊させ、品不足、買い占め、取り付けなどが一気に起こっていき社会が崩壊する。
 まるで今の新型コロナウイルスを見通していたかのような内容の映画である。
 今回の新型ウイルスの発生状況について、ジョンズ・ポプキンス大学がリアルタイムで表示している世界地図上の発生状況と同じような絵がなんと2011年制作のこの映画で使われていた。
 混乱の最中にはもちろん特効薬のワクチンが開発される前、どのようなものが効くのか、漢方薬は効くのかあるいは他のウイルスに対するワクチンが効くのかの試行錯誤と、それに振り回される人々の姿、そして感染することの恐ろしさ、それの為に社会が壊れていく状況、人々がパニックになったときに医薬品を求め食料を求め、社会が荒んでいく状況を良く描いていたと思うし、本当に恐ろしい映画であったと感じる。
 このようなかつてないウイルスと共に、これから第二波、第三波がくることを前提にマスク、手洗い、ソーシャルディスタンス、などというこれまでの社会では考えられなかったあり方が新しい常識、ニューノーマルになっていく。
 また感染が蔓延した時の医療崩壊の恐ろしさ、感染症に対し医療を向けると既存の医療が手薄になって、受けて回復する病気も救うことができないということになることもしっかりと認識しなければならない。
 幸いにしてワクチンが開発されたとしても世界中の人にワクチンを渡さなければならない為に考えられない大量のワクチンをつくる。
 これを一度に行き渡せることはもちろん出来ないのだから、どのように渡すかということについても大きな社会的混乱が生じることの恐ろしさをよく映画で表現していたと思う。

 

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