日本語能力試験

 日本語能力試験(略称JLPT、日能試)は、公益財団法人日本国際教育支援協会と独立行政法人国際交流基金が主催の、日本語を母語としない人を対象に日本語能力を認定する検定試験である。
 日本を含め世界86カ国・地域(2018年)で実施し、日本語を母語としない人を対象とした日本語の試験としては最も受験者の多い試験である。原則として日本語を母語としない人であれば誰でも受験でき、日本国籍の有無は問わない。
 最上級のN1から最下級のN5まで5段階のレベルがある。一部の受験地を除き、7月上旬と12月上旬の年2回試験が実施されている。日本国内では日本国際教育支援協会が、日本国外では国際交流基金が現地の機関と共同で試験を実施している。2018年は年間のべ約101万人が受験した。
 解答はほとんどが4択、一部が3択のマークシート方式である。問題文は実施する国にかかわらず全て日本語で書かれている。また、試験後に問題冊子を持ち帰る事は認められていない。

 

 日本語を母語としない者の場合、日本の国立大学への派遣国費留学には、日本語能力試験N1を要求される(日本人がアメリカ留学に際して、TOEFLで高得点を獲得した証明を要求される場合があることと同様)。なお、正規留学・私費留学等には日本語能力試験ではなく日本留学試験が課されることも多い。ただし、日本留学試験を行わない国の志望者に対して日本語能力試験の成績を認めるなど例外措置もある。また、大学・専門学校での入学にあたって、「日本語能力試験N2以上合格、または日本留学試験の日本語(記述を除く)得点が200点以上」という基準が、独自の日本語試験が免除されるなどの目安となっている。

 

就労ビザ
出入国在留管理庁の高度人材ポイント制による出入国管理上の優遇制度のポイント計算において、日本語能力試験N1を有する者または外国の大学において日本語を専攻した者は15点を、日本語能力試験N2を有する者は10点を加算する。この制度は、学歴、職歴、年収、研究実績等により合計70点以上を獲得し高度外国人材に認定された者が、出入国管理上の様々な優遇措置を得られる制度である。

 

医療
外国において医科大学(医学部)を卒業した者、または医師免許を取得した者が、日本で医師国家試験又は医師国家試験予備試験の受験資格を得るための書類審査において、審査基準の1つである日本語能力として、日本の中学校および高等学校を卒業していない者は日本語能力試験N1の認定を受けていることが条件である。また医師国家試験以外にも医療・保健に関する多くの国家試験と都道府県が実施する試験で日本語能力試験N1が受験資格になっている。
経済連携協定に基づき、インドネシア、フィリピンおよびベトナムからの外国人看護師・介護福祉士候補者の受入れについて、訪日前日本語研修において一定レベル(相手国により日本語能力試験N3程度以上またはN5程度以上)の日本語習得を入国条件としている。また訪日前研修以前にN2程度以上の日本語能力を有する者は日本語研修が免除となる。

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