今月のニュースから

10月1日(火)消費税10% 社会保障改革の本丸へ「支え手」確保 医療・介護で負担増も
 全世代が安心できる社会保障制度の構築を目指している政府は、1日に10%に引き上げられた消費税を財源とする幼児教育・保育の無償化に続き、今後は社会保障制度改革の本丸である年金、医療、介護の分野に切り込むことになる。少子高齢化を背景に給付抑制と負担増という「痛み」を伴う改革にどこまで踏み込めるかが焦点となる。

 政府が「全世代」と強調するのは、「子ども・子育て支援」を社会保障の一つに位置づけているためで、世論に受け入れられやすい幼保無償化などを先行させた。一方、国民の負担増が予想される医療、介護の制度改革には、高齢者を中心に反発が起きるのは確実で、改革実現のハードルは高い。
 しかも安倍晋三首相は消費税率のさらなる引き上げについて「今後10年間くらい」は不要との認識を示す。9月に設置した「全世代型社会保障検討会議」では、税率アップを封印して検討を進める見通しだ。
 新たな税財源なしで社会保障制度の財政基盤を強化するための政策が、70歳までの就業機会確保やバブル崩壊後の就職難を経験した就職氷河期世代への就労支援だ。社会保障制度の「支え手」を増やす−。政府が掲げるキャッチフレーズ「人生100年時代」「1億総活躍社会」にはそんな狙いが込められている。
 年金の制度改正で検討している、パートやアルバイトなどの短時間労働者への厚生年金の適用拡大も、財政基盤強化策の一環だ。医療、介護の分野では、75歳以上の後期高齢者の医療機関での窓口負担や、介護サービスの利用者負担の原則1割から2割への引き上げなどを議論する見通しだ。
 令和4(2022)年から団塊の世代(昭和22〜24年生まれ)は後期高齢者になり始め、社会保障費は急増していく。団塊ジュニア世代(昭和46〜49年生まれ)全員が65歳以上になり、高齢者数がピークに近づく令和22(2040)年をにらみ政府は制度改正を急ぐ。  (産経新聞)

 

10月1日(火)要介護者に「ロボスーツ」 立つ座る、歩行もアシスト
 自分の足で歩きたい、思うように体を動かしたい−。高齢や病気・けがなどで身体機能が低下した人の願いを最先端テクノロジーでかなえる「ロボスーツ」が注目を集めている。装着すれば、自分がしたいと思う動作を機械にアシストしてもらえる上に、トレーニングを重ねるうちに身体機能の改善も図れるという。

ロボットは介護する側の人手不足を補ったり体の負担を軽くしたりするだけでなく、介護される側にも役立つ存在として進化を遂げている。
 NPO法人「永寿」が運営する堺市北区の大阪ロボケアセンター。明るく広々とした空間にはトレーニングマシンのような機器が並び、まるでスポーツジムのよう。そんな中、目をひくのは脚、腕、腰など部分別の“ロボットパーツ”だ。
 「サイバーダイン」(茨城県つくば市)が開発した「HAL」は、脳から神経を経て筋肉に伝わる微弱な生体電位信号をセンサーが検知し、その信号に応じて電気モーターが駆動する−という仕組み。「脳が発する命令通りに動こうとする関節や筋肉などを、機械がアシストするというイメージです」と、石井亨宏センター長は説明する。
 単関節タイプのHALをひじに装着させてもらった。曲げようとすると、ほぼ同時にウィーンというモーター音が。筋肉にさほど力を入れなくてもひじを曲げる動作ができた。伸ばすときもしかり。勝手に手を動かされるのではなく、自分の意思通りに動くので、あまり違和感はない。アシストする力はもちろん調整可能だ。
 病気や事故などでまひが起こって体が動かなくなった人の動作を、ただサポートするだけではない。週1回程度、装着して思い通りに体が動くという実体験を繰り返し行うことで、脳にイメージがフィードバックされ、身体機能の改善にもつながるという。
 実際、同センターでは、抗がん剤治療と長期にわたる入院生活で歩行困難になった80代後半の高齢者が、HALを装着したトレーニングにより普通に歩けるようになった。難病治療の過程で体が一部を除いてまひし、身動きできなかった20歳の女性は、自力で姿勢を変えられるまでに回復。女性は「これまでは今日一日を過ごすことだけで精いっぱいだったが、就職や将来のことを考えられるようになったのがうれしい」と喜んでいる
 「どれだけ頑張っても動かなかった体が動くというのは、本人にとっては大きな喜びで、もっと頑張ろうという気力もわきます。それがさらに身体機能の改善につながっていきます」と石井さん。
 立つ、座るという動作をアシストし腰の負担を軽減する腰タイプのHALは「一台二役」で、要介護者の自立支援だけでなく、介護する側の負荷低減にも使える。介護やリハビリの現場におけるロボスーツへの期待は今後さらに高まっていきそうだ。
 ■課題は費用と操作性
 介護ロボットは、「機器が高額で施設の費用負担が大きい」「機能が限定的で操作が複雑」といった理由から、なかなか普及が進んでいないのが現状。だが、介護現場は慢性的な人手不足に悩んでおり、さらに将来は人材が一層不足することが予測されているだけに、ロボットの需要が高まるのは必至だ。
 厚生労働省によると、就業者に占める医療・福祉職は平成30年には8人に1人だったが、約20年後には5人に1人になる計算。外国人材の受け入れ拡大や介護ロボットなど機器の活用を進めないと、立ちゆかなくなる。日本は最先端テクノロジーの開発に定評があり、特にロボットに寄せられる期待は大きい。
 介護ロボットについて、厚労省などは(1)移乗支援(2)移動支援(3)排泄支援(4)見守り・コミュニケーション(5)入浴支援(6)介護業務支援−の6分野に分類。各メーカーは、より低コストで、多機能かつ操作が難しくない機器の開発を急いでおり、サイバーダイン社のHALのように、低下した身体機能を補助するだけでなくリハビリにも活用できるロボットも登場している。  (産経新聞)

 

10月7日(月)高額介護サービス費、現役並み所得者の負担上限額を引き上げへ=報道

 共同通信は5日夜、次の介護保険制度の見直しに向けた協議を重ねている厚生労働省が、所得の高い高齢者を対象に自己負担の月々の上限額を引き上げる方針を固めたと報じた。
 高額介護サービス費の仕組みを見直し、2021年度にも導入するという。膨張する給付費の伸びを抑え、制度の持続性を高める狙いがあるとみられる。
 介護サービスの利用者が支払う自己負担には、個々の所得などに応じて上限額が設定されている。ひと月に支払った合計が上限額を上回った際に、その超過分を後から払い戻す制度が高額介護サービス費だ。
 現行の上限額は3段階。生活保護を受けている人などが1万5000円、全員が住民税を課税されていない世帯などが2万4600円、それ以外が4万4400円となっている。
 厚労省は前回の制度改正でも上限額の見直しを実施。それまでは3万7200円だった住民税を課税されている世帯など(一般)を、現役並みに所得がある世帯と同じ4万4400円とした経緯がある。
 厚労省は今後に向けて、現役並みに所得のある世帯を新たに細分化する方向で検討を進めているようだ。現在は課税所得145万円以上(年収383万円以上)などの世帯を1つのグループとして扱っている。
 共同通信は今回、年収が約770万円以上ある世帯の上限額を9万3000円へ、約1160万円以上ある世帯の上限額を14万100円へ引き上げると伝えた。医療保険の高額療養費を一部踏襲した区分設定だ。  (介護jointニュース)

 

10月8日(火)人気の「飲むおにぎり」に減塩タイプ 介護系の消費者から要望多く 
 ヨコオデイリーフーズが運営する、日本の伝統食コンニャクを楽しく体感する施設「こんにゃくパーク」は、3月に発売した世界初のスパウト付きパウチ容器入りの国産原料にこだわった「飲むおにぎり〈梅こんぶ〉」「同〈梅かつお〉」の新アイテムとして、要望が多かった1食当たりの塩分量を約75%カットした「減塩 飲むおにぎり〈梅こんぶ〉〈梅かつお〉」を9月に発売した。

 「飲むおにぎり」は発売以降、予想を超える反響を得ている。同社では、その要因をおにぎり(ご飯を握った固形物)としてこれまで定着しているものに対し、固定観念を覆すスタイルで提供したインパクトがあったことに加え、フレーバーが固定化されがちなスパウト付きパウチ市場で、「飲むおにぎり」という新たな切り口で簡便、時短ニーズに対応したことが評価されたと分析。
 さらに、おにぎり1個分200kcalのエネルギーと賞味期限1年を実現したことで幅広い支持を集めた。消費者やバイヤーからは、「時間がない時や保存食としていい」「体調が悪い時にいい」「甘いゼリーじゃなくしょっぱいパウチ入り商品がほしかった」などの声が寄せられているという。
 なお同品は、日本食糧新聞社主催で、日本各地で販売されている惣菜・弁当の中から、商品力・販売力・アイデア力のあるよりすぐりの受賞商品を展示および販売する「惣菜・べんとうグランプリ2019」で入賞している。
 今回発売した新アイテムの「減塩 飲むおにぎり」は、特に介護系の消費者からの要望が多かったという。おいしさはそのまま、1食当たりの塩分を約75%カットした。2品とも、130g、200円(税別)。  (日本食料新聞)

 

10月9日(水)財政審、社会保障の議論開始 在職老齢年金見直しに慎重論
 財務省の財政制度等審議会の分科会は9日、令和2年度予算編成に向け、社会保障の議論を始めた。働いて一定以上の収入がある人の年金を減らす在職老齢年金制度の見直しについて、委員からは慎重意見が相次いだ。財務省は提出資料の中で、高齢者の就業促進へ「将来的な廃止も展望しつつ縮小を行うことが課題」としたが、見直しにあたっては所得の高い高齢者の優遇策との批判が起き得ることに留意が必要とした。
 在職老齢年金をめぐっては高齢者の就業意欲をそぐとの批判があり、政府が見直し方針を示していた。委員からは「現役世代の納得を得られない」「年金が減るから就業しなくなるのか因果関係がはっきりしない」などの声が出たという。
 一方、介護については、現在は一部の高所得者を除き原則1割としている介護保険サービスの自己負担を原則2割にすることを改めて求めた。居宅介護支援のケアマネジメントには、現在はない利用者負担を導入する必要があるとした。
 児童手当をめぐっては、共働き世帯数の増加を踏まえ、世帯で最も所得が高い人の所得だけで判定する現行方法から、世帯合算の所得で判断する方法に変えるよう要請。特例給付と呼ばれる高所得者への児童手当も「廃止を含めた見直しを行うべきだ」とした。医療については後日議論する。
 政府は9月に全世代型社会保障検討会議を新設し、同会議は与党と調整しつつ社会保障改革の方向性を決める。財政審は財政規律を重んじる立場から給付と負担の見直しを唱えるが、政府内や医療業界には改革を財政の視点だけで論じるべきではないとの声がある。
 記者会見した分科会の増田寛也会長代理(元総務相)は「社会保障は一人ひとりの人生に関わる話であり、多様な観点で考えていく必要がある」と述べた。    (産経新聞)

 

10月9日(水)「ケアプラン」有償化を検討=在宅介護普及で−財政審
 財政制度等審議会(財務相の諮問機関)は9日の分科会で、介護保険の利用者について、給付範囲を抑えて自己負担を増やす提言案を示した。
 膨張を続ける社会保障費に絡んで、制度の持続性を確保するため、現在は全額公費で賄われている在宅介護サービス利用者の「ケアプラン」作成料を有償化するのが柱。財政審は11月にもまとめる建議(意見書)に盛り込み、政府内の議論に反映させたい考えだ。
 ケアプランは、要介護認定を受けた高齢者が介護保険サービスを受けるために必要な計画で、主に介護支援専門員(ケアマネジャー)が利用者の健康状態や生活状況を調べて作る。在宅でサービスを受ける場合、1万2000円程度の作成料が現在無償となっているが、財務省は一定の普及を背景に「(民間の)ケアマネジメント(業務)に利用者負担を導入すべきだ」と訴えた。  (時事通信社)

 

10月10日(木)通所介護は総合事業へ移行を 財務省提言 要介護2以下が対象
 財務省は9日に開催した「財政制度等審議会」の分科会で、今後の社会保障制度改革を俎上に載せた。
 介護保険の関連では、要介護1、2の高齢者を対象とした通所介護を市町村が運営する総合事業へ移すべきと改めて主張。12月上旬にもまとめる提言に盛り込む方針を示した。今後、政府内で実現を働きかけていく構えだ。
 現行の制度では、要支援1、2の訪問介護と通所介護が総合事業のスキームで提供されている。市町村が運営基準や報酬単価などを独自に設定できることが大きな特徴だ。
 介護給付からの移行が始まったのは2015年度。各地域の実情に応じ、多様な人材・資源を活かした効率的できめ細かいサービスをそれぞれ展開してもらうとともに、膨張を続ける給付費の適正化につなげていく狙いがある。
 厚生労働省は現在、2021年度の制度改正に向けた協議を社会保障審議会の部会で重ねている。財務省の主張はここでも取り上げられる見通し。
 介護現場の関係者の間では慎重論が根強い。一方で、保険料を負担する経済界や現役世代の立場を代表する委員は実現を迫っている。厚労省は年内に結論を出したい考え。政府・与党の最終判断に大きな注目が集まりそうだ。
 財務省は今回、要介護1、2の訪問介護も総合事業へ移すよう改めて注文をつけた。給付費を抑制して財政健全化に結びつけることが目的。
 特に問題視しているのは、掃除や洗濯、調理などを行う生活援助だ。「必ずしも自立支援につながっていない」と断じており、介護給付から除外すべきと強く訴えている。  (介護jointニュース)

 

10月11日(金)食べられなくなったら傍らに水だけを置く…離島の看取りから学ぶ「平穏死」
石飛幸三の『人生の最期をどう迎えるか』 
 私が介護施設の医療について考えるようになったのには、それなりの経緯があります。外科の医者として半世紀、体の部品修理に専念してきましたが、還暦が近づくにつれ、身体的な衰えを感じるようになりました。体を修理することにも限界があることや、有限の命に対する心構え、仏教で言えば悟りの境地について考えるようになり、高齢者の現実はどうなっているか見てみようと、特別養護老人ホームの常勤医になったのです。
 特養に来て、最初に深く考えさせてくれたのは「三宅島の看取(みと)り」の話でした。2000年の三宅島の噴火で、85歳の認知症の女性が息子さんと避難し、芦花ホームに入所されました。入所して5年が過ぎた頃、誤嚥(ごえん)を起こして病院で肺炎の治療を受けました。その入院先の医師から、すでに三宅島へ戻って働いていた息子さんに電話がありました。「お母さんはもう自分の口で食べることはできません。胃ろうをつけます。
「島では、食べられなくなったら水を置くだけ」
 息子さんは電話で懇願しました。「母はもう寿命です。お願いです。手術はしないでください」。1週間後、息子さんは島から船で竹芝桟橋に着き、病院からホームに戻っていたお母さんに会いました。
 お母さんは胃ろうはつけられていませんでしたが、鼻から胃に管を入れられ、水分と栄養が強制的に補給されていました。そんな母親の姿を見て、息子さんは私の前で泣きながら言いました。「島ではこんなことはしません。年寄りは食べられなくなったら、傍らに水だけを置いておきます。生きる力が残っていれば、自分で手を伸ばして水だけ飲んでも1か月は生きます」と。
 80年生きていれば4回は噴火に遭うといわれる、厳しい三宅島の自然を生きてきた人びとは、静かに自然に還(かえ)ることを学びつないできたのです。
 一方、当時の芦花ホームでは「1日1500キロカロリー」の水分と栄養をとってもらうために、介護士たちが懸命に働いていました。経鼻胃管の栄養チューブや胃ろうの人にも、決められた量の液体状の栄養が看護師によって与えられていました。高齢者の命を少しでも長く引き延ばすためです。
 しかし、私は息子さんの話を聞いて、ご家族が望まない、このような医療を行う必要がどこにあるのだろうかと疑問に思いました。
「ただ命を延ばすことが本人のためか」と家族
さらに、もう一人の入所者のご家族との出会いがありました。アルツハイマー病の奥さんを自宅で18年間介護してきたご主人が、自転車事故で介護が続けられなくなり、奥さんを芦花ホームに預けました。ホームでは一律の「1500キロカロリー」という数字にとらわれて、「しっかり食べて」と食事を口に入れていました。これだけの水分と栄養はどうしても必要だと、延命に精を出していたのです。
 そうした様子を見て、ご主人は入所者の家族会で言いました。「本人のためになっているのでしょうか」。奥さんが誤嚥して病院に運ばれ、医者から「胃ろうをつけましょう」と言われた時、ご主人は「ただ命の時間を延ばすことが、本人のためになるのでしょうか。何もしないで逝かせるのも、愛情ではないでしょうか」と言われました。
誰も言わなかったことを言おう……「平穏死」提唱へ
 私たちは本当の使命を見失っていました。坂を下っている人に医療を押しつけて、無理にまた坂を逆戻りさせるような苦痛を強いてきたのです。
 こうした経験を通して私は、今まで誰も言わなかったことを言わなければならないと自覚しました。医療で命を引き延ばせても、その人らしく生きていけないのならば、そんな医療を受けさせるのは間違いだ、医療を差し控えることも必要だ、と。それが「平穏死」の提唱につながったのです。
 誰にも死は平等に訪れます。最期に残された時間は、その人のもの。穏やかに、自由に過ごしていただきたいと思います。  (読売新聞)

 

10月16日(水)中止となったケアマネ試験、再試験は年度末か 試験問題を新たに作成へ
 記録的な大雨や暴風で各地を襲った台風19号と重なってしまった今年度の介護支援専門員実務研修受講試験。中止の判断を下した都道府県では再試験が検討されているが、実際に行われるまでには相応の時間がかかりそうだ。
 厚生労働省は13日に出題された試験問題を、今月16日以降にネットなどで公開する予定。このため再試験を行うためには、新たな試験問題を用意することが不可欠となる。13日の試験問題が再び使われることはない。
 試験問題の作成には通常、半年程度の時間を要する。厚労省の担当者は、「来月にすぐ再試験を行う、とかそういう日程にはならない。難しい」と説明。年度末が近い頃にならざるを得ないのではないか、という認識を現時点では持っているとした。
 新たな試験問題の作成には追加の費用が伴う。再試験には会場の手配や周知なども欠かせず、いざ行うとなると実務研修にも影響が及んでくる。
 厚労省は今後、再試験についての都道府県の考え方をヒアリングしていくという。基本的にはそれぞれの意向を尊重する、というスタンスだ。
 ケアマネ試験の要綱では、「試験は1年に1回以上行うこと」と規定されている。このため、どこも「再試験を行う」と回答してくる可能性が高いとみられるが、これはまだ確実ではない。都道府県の判断によっては、中止したところの中で対応が違ってくる可能性も残されている。
 新たな試験問題を作成する社会福祉・振興試験センターとも調整したうえで、厚労省は再試験の日程を改めて提示する方針。13日に実施した都道府県であっても、やむを得ず受験できなかった人などに配慮して再試験を行うことは可能だとしている。
 受験者の安全や公共交通機関の乱れなどを勘案し、13日は東京や宮城、静岡など1都12県が試験を中止した。関東の1都6県で実施したのは群馬県だけ。東北では福島、宮城、岩手、青森の4県が中止した。  (介護jointニュース)

 

10月17日(木)介護の事務負担減、勤務表の様式を改訂・統一へ 添付書類も簡素化 厚労省
 介護現場のペーパーワークの大幅減に向けて協議を進めている厚生労働省は、施設・事業所の指定申請、報酬請求に要する手間を省く具体策の一環として、職員の人員配置を明らかにする書類を簡素化する方針だ。
 16日に開催した社会保障審議会・介護保険部会の専門委員会で提案し、委員から大筋で了承を得た。年度内にも通知を出して実現する計画。
 特に不満の強い「従業者の勤務体制及び勤務形態一覧表」を見直し、それを全国共通の様式として幅広く使ってもらう考えだ
 人員基準を満たして適切に運営しているか否かなどを確認するための書類。現在は自治体ごとにそれぞれ異なる様式が用いられているケースが多く、現場の関係者などから改善を求める声が相次いでいた。
 厚労省が今年度に行ったデスクトップ調査の結果では、対象となった8自治体すべてで、国の既存の参考様式を改変したものが使われていたと報告されている。チェックの精度を高めるため、独自の記入欄を設けたり備考欄を充実させたりする例が典型だ。
 こうした相違が事業者の負担を一段と重くしている。厚労省は今回、「自治体の意見も聞きつつ様式を改訂する」と言明。年度内に提示したうえで、各自治体に活用するよう促す構えをみせた。
 これとあわせて、職員の人員配置を明らかにする添付書類も大幅に減らす形で統一する。
 今は自治体によって対応がまちまちだ。職員の資格証、雇用契約書、組織体制図、就業規則、経歴書、給与規定、研修計画などのいずれか、あるいは全てを出すよう求められるケースがある。
 厚労省はこの日の会合で、原則として職員の資格証のみで済ませることをルール化する意向を固めた。資格証の写しの原本証明なども不要とする方針。  (介護jointニュース)

 

10月18日(金)被災者の医療・介護サービス自己負担、免除要請 厚労相
 加藤勝信・厚生労働相は18日午前の閣議後記者会見で、台風19号により自宅が全半壊や床上浸水などの被害を受けた人が医療・介護サービスを利用する際の自己負担を免除するよう、市町区村などに要請したと明かした。免除分は全額国費で補う。このような特別な措置は、阪神大震災、東日本大震災、熊本地震、西日本豪雨に続いて5例目だという。  (朝日新聞)

 

10月28日(月)高所得者の介護負担増を容認 月額上限、社保審部会
 厚生労働省は28日、社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の部会を開き、介護保険サービスを受ける際の自己負担の見直しに向け議論した。委員からは、支払い能力に応じて負担してもらうため、主に65歳以上の高所得世帯については月額上限の引き上げを認める意見が相次いだ。
 現在の月額上限は4万4400円(低収入の世帯を除く)だが、厚労省は増加する社会保障費の伸びを抑制するため、医療保険制度の場合と同様に年収に応じて引き上げる方針を固めている。年収約770万円以上の世帯は9万遅千円、約1160万円以上は14万100円に増やす。  (共同通信)

 

10月29日(火)介護予防で75歳から新たな健診 厚労省、20年度導入決める
 厚生労働省は29日までに、要介護状態になる一歩手前の「フレイル(虚弱)」の人を把握するため、75歳以上を対象にした新たな健診を2020年度から始めることを決めた。食生活や運動の習慣、物忘れの有無などを尋ねる質問票を作成し、市区町村の健診で活用してもらう。早期発見で重症化を防ぎ、社会保障費の抑制につなげたい考え。
 高齢になると筋力が落ちたり、食が細くなったりするため、フレイルは75歳以上の人に多く見られる。質問票は「お茶や汁物等でむせることがあるか」「この1年間に転んだことはあるか」など、高齢になると起こりがちな問題15項目で構成している。  (共同通信) 

 

10月31日(木)ベテラン介護職員は2万1700円増 特定加算77%の法人が算定(WAM調査)
 10月から介護職員等特定処遇改善加算を算定する法人が77%に上ることが9日、福祉医療機構(WAM)の調査で分かった。
 1人当たりの平均月給改善見込額は、「経験・技能のある介護職員」が2万1700円、「他の介護職員」が9339円、「その他職種」が4585円だった。
 調査は同機構が融資している4872法人を対象に行った(回答率21%)。回答した法人の約9割は社会福祉法人。
 特定加算は「経験・技能のある介護職員」らの賃金を上げるため、10月から始まった。法人の判断で介護職員以外に配分するなど柔軟な運用ができるが、一定のルールが設けられている。
 来年4月からの算定予定を含めると、全体で86%が算定する。一方、算定予定なしが7%あり、特に小規模法人や主体が介護事業ではない法人で割合が高かった。
 配分方法は「経験・技能のある介護職員」「他の介護職員」「その他職種」のすべてを対象とする法人が74%を占めた。
 「経験・技能のある介護職員」の基準は、79%の法人が勤続年数を要件とし、その多くは「10年」としていた。ただ、経験年数に他法人での経験を含めるかどうかは対応が割れていた。
 加算算定にあたり難しいと感じる要件は「介護職員内の配分方法」「その他職員への配分」「加算対象外の職員との賃金バランス」が多かった。賃金バランスに配慮するため、持ち出しで処遇改善を行う法人が35%あった。 今後について、介護職員が続けて勤務すれば「経験・技能のある介護職員」の対象者が増え、財源が必要になることに対しては、84%が「配分方法を見直し、総額は同加算額の範囲内に収める」と答えた。  (福祉新聞)

 

10月31日(木)紹介状なしの受診で5千円以上負担、対象の病院を拡大へ

診療所などの紹介状がなく大病院を受診した患者に初診なら5千円以上の追加料金を義務づける制度について、厚生労働省は来年度から対象病院を広げる方針だ。今は400床以上の病院が対象だが、200床以上への拡大を軸に調整する。軽症患者の診療所での受診を促し、大病院は重症患者の治療に専念できるようにするのが狙い。介護保険サービスの利用料金の上限引き上げも検討する。

 厚労省は30日の中央社会保険医療協議会(中医協)で、紹介状のない患者から追加料金を徴収する病院の範囲拡大を提案し、おおむね了承された。来年1月以降の中医協で正式決定し、来年度の診療報酬改定で導入する。
 追加料金は、原則1〜3割の窓口負担とは別に支払うもの。初診で5千円以上、再診で2500円以上で、金額は各病院が決める。救急患者らは例外とされ、支払う必要はない。
 厚労省によると、追加料金の徴収が義務づけられているのは全国に420病院あり、対象を200床以上にすると673病院に増える。200床以上は、全病院の約3割だという。  (朝日新聞)

 

 

 

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