各施設の事業計画について

 6月の定時評議員会において法人の決算が確定したことを受け、それぞれの各施設の事業収支計算書について、施設の担当者と分析し今後の運営方針について話し合った。
 長年にわたって、会計を職業としてきた私だけれども、毎年の人為的に区分した事業収支の状況に一喜一憂する必要はありません。
 各年度の収支差額が許容範囲内であるならば、年度別の収支差額の増減にこだわるよりは、大きな流れを見なければいけないと思います。
 その施設の提供するサービスが社会のニーズに対応しているものかどうか、地域や時代から求められているサービスなのかどうか、その福祉サービスを提供する人的資源や設備の状況がどのような段階にあるのかどうか、それらを中長期的な視点で把握していかなければいけません。
 各年度の収支差額の増減にこだわる必要はそんなにはないのです。働く人たちがみんな仲良く職場に愛着と誇りを持って相応の処遇の元、まんべんなく各年代が揃っていますか。そして無理なくスムーズに世代交代が進んでいっていますか。能力のある熱意のある人たちの登用の道が開けていることが重要です。
 設備については、丁寧なメンテナンスを行い、社会的ニーズに対し支障なく利用していただくことができる状況にありますか。使用可能期間が経過した後、無理ない資金計画のもと、最新の過不足のない必要にして充分な設備に更新する体制にあるのでしょうか。 設備投資を行うに必要な最新の情報を把握し堅実な資金計画のもと実行できるのですか。
 地域や時代によって福祉サービスに対するニーズが変化して行きます、この変化に適切に対応し必要とするサービスを持続的に提供することができ、そして福祉サービスの公的制度が変化していくリスクにも適切に対応していくことができるかどうかが大切です。
 我国の福祉制度は、高齢者福祉、障害者福祉、児童福祉のいずれもが時代の変化とともに大きく変更されてきており、今後ともさらなる変化が見込まれます。
 社会的ニーズを常に把握し、行政における制度変更のリスクにいち早く対応していかなければ、激しい変化の行われる福祉制度に的確に対応することが困難です。

 

 

 

 

 

 

 

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