リタイア

 もうすでに決して若くないのだから,そろそろ引退しようと周囲に漏らしている。そうすることが、リタイアの日を確実に迎えることができると思っているのだ。
 周りの人たちは言う。「そんなことないですよ。まだまだ若いです。お辞めになられたらこの組織がどうなるか不安です。」などという。
 でもそのように言われてその気になってしまって無残な老害というべき姿を晒し、冷笑されている地元経営者を何人も見てきた。
 もう年なんだからおっしゃるようにやめたほうがいいですよと周りが言うわけがない。
 でもねえ、まだまだ若い、元気だと言ってポジションにしがみつくならば、結局は職場から老人ホームや病院へ直行すると言うことになってしまう。
 体が元気なうちに、しっかりとした判断力を持って自分でなければ解決できない課題については次の世代に残すことなく解決の道標をつけ、そして次の世代へ一気に若返りを図るのが世代交代と言うものだと思う。
 もはや、何の新規プロジェクトもしようとは思わないけれど、次世代の継承者が望むなら、私が辞めると決めた日の前であれば、努力はする。

 定年に達した職員のうち、相当数は、定年後も働きたいという。
 若い人たちに道を譲ろうよと言ったら、何の趣味も持たない私が、まだ元気なのに定年だからと言われ、仕事を辞めたら毎日、何にもすることがないんです。近所づきあいもないし、友達だってそんなにいないし、家にじっとしていたらすぐにおかしくなりそうです。
 わかったよ、でもね、定年に達したんだから、ポジションを捨て、短時間で、週3日か4日働いて、半年更新で行ってみようよ、そしてできた時間に、何か趣味を作ったらどうなの
 なにしろ、私たちの組織は、団塊世代が多くいるので、彼らに定年を宣告し、手を握りしめて、肩を叩いている。
 まだ体も気持ちも元気なうちに、完全にフリーな環境に我が身を置き、これまでの人生そして次の世代さらにその次の世代の行く末に思いを馳せながら穏やかな日々を過ごすことを目指そうよ。

 

 

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