今月のニュースから

10月01日(月)ドリルや食事メニュー、認知症予防の効果実証へ
 経済産業省は、認知症予防のための製品やサービスの効果について、実証事業を行う方針を固めた。タッチパネル上で計算問題を解くドリルなど多様な製品があるが、予防効果が見えにくいためだ。急速な高齢化を受け、認知症予防を成長産業に育てる狙いもある。
 実証事業は2019年度から3年間実施する。製品・サービスを提供している事業者や、介護現場に携わる自治体と協力し、認知機能の維持・向上にどれだけ効果を発揮したかを検証して、結果を公表する。新しい製品やサービスの開発や利用の促進にもつなげる。
 認知症予防のための製品は、計算ドリルやパズルのほか、指先など体を動かすことによって脳のトレーニング効果をうたう機器、予防に効くとされる食事メニューなど様々だ。ただ、公的な検証が行われていない場合が多い。         (読売新聞)

 

10月03日(水)特養10年で2000カ所増 障害児の放課後デイは1万カ所超す
 厚生労働省が9月20日に発表した「2017年介護サービス施設・事業所調査」で、特別養護老人ホームが前年比2.4%増の7891カ所になったことが分かった。10年間(07年は5892カ所)で2000カ所増え、平均して1年に200カ所開設してきたことになる。
 入所者の要介護度をみると、要介護1、2の割合が全体の6.7%で過去最少となった。15年4月から新規入所は原則要介護3以上になったことなどが影響しているとみられ、入所者の重度化が進んでいる。平均定員は68.9人で利用率は96.6%。ユニットケアを行う特養は全体の37.9%だった。
 地域包括支援センターは3.0%増の5020カ所となり、初めて5000カ所を超えた。同センターは05年の改正介護保険法で位置付けられ、地域包括ケアシステムの要とされている。運営主体別では、市町村直営が24.5%、社会福祉法人が55.2%。社会福祉法人の比率は10年前(07年は43.6%)から約12ポイント上がった。
 前年比で増加率が高かった事業所は、27.9%増の看護小規模多機能型居宅介護(390カ所)、17.1%増の定期巡回・随時対応型訪問介護看護(861カ所)。減少率が目立ったのは9.7%減の介護療養型医療施設(1196カ所)、4.0%減の訪問入浴介護(1993カ所)と夜間対応型訪問介護(217カ所)だった。
 ■放課後デイは1万カ所超
 就学している障害児の通う放課後等デイサービス事業所が1万カ所を超えたことが、9月20日に分かった。同日発表された厚生労働省の「2017年社会福祉施設等調査」によると、17年10月1日時点で1万1301カ所で、前年度の9385カ所から20%増えた。
 同サービス事業所は12年4月の創設以来増加傾向にある半面、サービスの質に問題があるとの指摘が相次いでいる。厚労省は人員配置や運営の基準を厳格化し、安易な事業参入を防ごうとしているが、事業所は依然として増えている。                           (福祉新聞)

 

10月4日(木)訪問介護の生活援助に回数基準 月27〜43回以上で点検
 厚生労働省は10月から、高齢者らの自宅でヘルパーが掃除や調理をする訪問介護の「生活援助」について、介護の必要度に応じて基準(月27〜43回)を設けた。基準回数以上利用する介護計画(ケアプラン)の場合は、ケアマネジャーに市町村への届け出を義務付け、妥当性を点検する。約50万人の利用者のうち回数の多い5%程度の約2万5千人が対象となる。
 訪問介護は介護保険で利用でき、自己負担は1回数百円程度。過去の調査では、1人当たりの平均利用回数は月10回程度だったが、同じ要介護度でもばらつきがあり、中には月100回以上の人もいた。「家政婦代わり」との批判もあった。 (デーリー東北)

 

10月07日(日)<毎日新聞世論調査>外国人労働者の拡大、「賛成」が47%
 毎日新聞が6、7両日に実施した全国世論調査で、建設や介護など人手不足の業種で外国人労働者の受け入れを拡大する政府の方針に関して聞くと、「賛成」が47%と半数近くを占めた。一方、「反対」は32%、無回答も22%あった。
 外国人労働者の在留期間を5年間に限定して永住は認めない政府方針については「永住を認めるべきだ」40%、「永住を認める必要はない」38%、無回答21%と意見が割れた。
 受け入れ拡大に賛成する層では「永住を認めるべきだ」が63%と、「永住を認める必要はない」の32%を大きく上回った。受け入れ拡大に反対の層では、28%対67%と正反対の結果になった。政府は24日召集予定の臨時国会に関連法案を提出する考えだが、丁寧な説明を求められそうだ。
 ◇調査の方法
 10月6、7日の2日間、コンピューターで無作為に数字を組み合わせて作った固定電話と携帯電話の番号に調査員が電話をかけるRDS法で調査した。固定では、福島第1原発事故で帰還困難区域などに指定されている市町村の電話番号を除いた。固定は18歳以上の有権者のいる823世帯から503人の回答を得た。回答率61%。携帯は18歳以上につながった番号617件から502人の回答を得た。回答率81%。           (毎日新聞)

 

10月12日(金)<入管法改正案>建設や介護分野検討単純労働も新在留資格
◇政府 関係閣僚会議で骨子を示す
 政府は12日に開かれた関係閣僚会議で、外国人労働者受け入れ拡大に向けた入管法などの改正案の骨子を示した。新たな在留資格として、一定の知識・経験を要する業務に就く「特定技能1号」▽熟練した技能が必要な業務に就く「特定技能2号」の二つを創設することが柱。対象は人手不足が深刻な建設や介護、農業など十数の分野が検討されており、今後具体的に定める。
 また、法務省は内部部局の入国管理局を格上げして「出入国在留管理庁」の新設も目指しており、入管法とともに法務省設置法の改正案を24日に召集予定の臨時国会に提出する。これらが成立すれば来春に受け入れを開始する。事実上の単純労働も含めた資格新設は大きな政策転換と言える。
 骨子によると、1号は在留期間は通算5年を上限とし、家族の帯同は認めない。2号は在留期間の更新を認め、配偶者と子の帯同を認める。1号の技能水準は生活に支障のない程度の日本語を基本とし、分野ごとに業務上必要な水準を考慮して定める所管省庁の試験などで確認する。技能実習(最長5年)を終えた外国人は1号の試験を免除。また、所管省庁の試験などを経て1号から2号に移行可能とするほか、同じ分野内であれば転職もできる。受け入れ後、人手不足が解消した分野は受け入れを停止・中止する。
 技能実習から1号に移行するケースなどでは最長10年間の滞在が可能で、「永住許可を得るための要件の一つが満たされる」(法務省幹部)ことになる。2号は長期の滞在が可能となるが、山下貴司法相は12日の記者会見で「雇用契約の更新がなされない限りは在留期間の更新は許可されない。『永住』とは相当違う」と述べた。    (毎日新聞)

 

10月15日(月)<厚労省>処遇改善加算、介護職員以外にも
 厚生労働省は15日、来年10月の消費増税に合わせた介護職員の処遇改善策について、介護報酬の加算分を介護職員以外の職種の給与増に使うことを認める方針を示した。対象の職種は介護支援専門員(ケアマネジャー)などを検討している。
 介護職員の処遇改善を巡っては、政府が昨年12月に閣議決定した「新しい経済政策パッケージ」で、消費増税時に勤続10年以上のベテラン介護福祉士に月8万円相当の処遇改善をする計算で約1000億円を投じる方針を示した。これを受け、同省が15日の社会保障審議会介護給付費分科会で具体策を検討した。
 現行の介護報酬制度には、介護職員の賃金を最大で月3万7000円相当増額する処遇改善加算がある。今回はこれとは別の新たな加算制度とし、加算分を配ることができる職種を介護に直接携わらない職員にも拡大する方針だ。
 同省によると、介護職員の賞与を含めた平均月給は27万4000円。ケアマネジャー(同31万5000円)や理学療法士(同33万7000円)は介護職員より高いものの、全産業平均の36万6000円を下回っている。         (毎日新聞)

 

10月15日(月)介護職場の「働きやすさ」評価・認証制度開始へ
 厚生労働省は、介護現場の人手不足が深刻なことから、研修や休暇制度など、「働きやすさ」に焦点をあてた介護事業所の評価・認証制度を全国で始める。今年度中にガイドライン(指針)を策定し、認証制度の実施を担う都道府県に通知する。来年度から指針を踏まえた認証制度の普及を目指す。
 介護職場では、昇給や昇格などの仕組みが明確でない事業所が多いことに加え、他産業と比べた賃金水準の低さや長時間労働のイメージが根強く、人材の定着や育成が課題となっている。
 認証制度ではこうした声を踏まえ、「明確な給与・昇給体系の導入」「休暇取得や育児・介護との両立支援」「研修や資格取得支援などの人材育成」といった評価項目を設定。どの程度満たしているかを各都道府県が審査する。
 審査をパスすれば、「認証事業所」として、ホームページなどで公表する仕組みを検討している。審査は民間の各事業所が申請する。
 若者らが就職先を考える際の参考にしてもらうほか、各事業所には、「選ばれる」ための職場改善を促すことで、現在働いている職員の離職防止にもつなげるねらいがある。職員の定着率の高い事業所が増えれば、より質の高いサービスを利用者が受けられる期待もある。                      (読売新聞)

 

 

 

10月23日(火)外国人在留資格の拡大、先行き不透明 出入国管理法改正案の国会提出に遅れも
 自民党は23日、党本部で法務部会を開き、外国人労働者の受け入れ拡大に向け新たな在留資格を設ける出入国管理法改正案について関係団体からヒアリングを行った。人手不足に直面する各団体が受け入れを求めたのに対し、出席議員からは日本人の待遇や社会保障への影響、受け入れ態勢の不備などを指摘する意見が相次いだ。政府は臨時国会で改正案を成立させる考えだが、公明党からも慎重論が出ており、国会提出が遅れる可能性がある。
 「東日本大震災後、人手不足が続き、若年層の確保に苦労している」(日本建設業連合会)
 「介護保険制度を持続可能なものにするのに人材不足が足かせだ」(全国老人福祉施設協議会)
 自民党の法務部会では、建設や農業など団体の代表者が口々に受け入れ拡大と自らの業界への適用を求めた。政府は、外食や宿泊なども含め要望のあった14業種での適用を検討している。
 ただ、議員からは改正案への反対や慎重な議論を求める声が相次いだ。
 青山繁晴参院議員は、外国人の採用で日本人の給料や待遇の改善に影響することや仕事がなくなった場合に不法滞在につながる恐れに触れ、「制度設計が未成熟だ。対策がとれておらず反対だ」と批判した。
 小林鷹之衆院議員は「将来、労働力が余れば外国人と日本人が仕事を奪い合う事態になる。永住した場合の医療や介護などのコストをどう見積もっているのか」と疑問を投げかけた。
 政府は臨時国会で改正案を成立させ、来年4月から新たな在留資格の運用を始める青写真を描く。
 法務部会は25日まで3日連続でヒアリングを行い、26日に改正案審査に入る。だが、了承を得られず党内手続きに時間がかかれば、国会提出が遅れかねない。
 23日の公明党の会合でも「人手不足という理由だけで外国人を受け入れれば対象産業の若手が育たなくなる」「受け入れ企業が倒産したら転職できるのか」などの異論が相次いだ。太田昭宏前代表も慎重な対応を求めた。出席者の一人は「今のままでは党の審査は通らない」とこぼした。
 来夏に参院選を控え、導入を希望する業界団体の支持は与党にとって魅力だ。一方で、「支持者には治安悪化や住民トラブルへの懸念もある」(自民党参院議員)との声もあり、党内の意見はまとまっていない。                 (産経新聞)

 

10月26日(月)“激務”介護現場にITの力 「休憩取れて残業減った」
 人手不足が深刻化する介護現場にIT機器を導入し、労働負担を軽減する取り組みが兵庫県内で進んでいる。介護記録など紙の書類が依然多い事務作業を電子化したり、入所者の心拍数などを自動計測して省力化を図ったりし、残業時間の減少につながった施設も。関係者は、介護業界のイメージ改善や人材確保に結び付くことを期待している。
 兵庫労働局によると、県内では近年、介護関係で毎月約1万2千人の求人があるのに対し、求職者は約3千人で推移しており、人手不足が深刻化している。厚生労働省の推計では、団塊の世代が全員75歳以上になる2025年度には、全国で約34万人もの介護職員が不足する恐れがある。このため厚労省は、外国人材の受け入れのほか、ITや介護ロボットの活用なども進める考えだ。
 神戸市中央区の社会福祉法人「光朔(こうさく)会オリンピア」は昨年、運営するグループホームなどの巡回記録を電子化し、作業効率が大幅に向上した。職員がタブレット端末にタッチペンで手書きすると自動で電子データ化され、保存管理できる。
 以前は入所者の体温や排せつ回数を巡回のたびにメモした後、毎日約1時間を費やして記録表に転記し、ファイルにとじていたという。施設管理者(33)は「まとまった休憩時間が取れ、残業が減った」と話す。
 同法人が導入した電子化システム「ケア記録アプリ」を開発したのは、システム開発会社の神戸デジタル・ラボ(神戸市中央区)。同社は今年6月、健康関連分野のシステム構築を手掛ける東京の企業と合弁会社「介護サプリ」を設立し、同アプリの販売拡大に乗り出した。
 介護サプリの担当者は「ITシステムを入れている介護施設は全体の3〜4割とみている。ケア記録アプリの採用事業所数を3年で10倍に伸ばしたい」と意気込む。
 入所者の体調をITで可視化し、職員の負担軽減とサービス向上を進めているのは、尼崎市の介護老人保健施設フローリス。昨年、ベッドに敷くだけで心拍数や呼吸状態を把握できるマット「眠りスキャン」4台を導入した。
 1分単位で24時間自動計測されるため、スタッフが的確なタイミングで見回ったり、声を掛けたりできるようになったという。心拍数が落ちると、詰め所のアラームが鳴るようにもできる。介護支援専門員(44)は「負担の大きい業務はIT機械を活用し、スタッフがやりがいを持てるような環境を整えたい。IT化で介護業界のイメージが変わるのでは」と期待する。
【介護現場のIT化に詳しい日本政策投資銀行(東京)業務企画部の植村佳代副調査役の話】IT機器を活用すれば、床擦れの状態や睡眠状況などを分かりやすく記録することができ、介護職員の負担軽減だけでなく、利用者家族が安心感を得られるなどのサービス向上にもつながる。活用事例が増えれば、介護IT技能者の資格設立や省人化など、介護保険法の改革が進む可能性もある。                  (神戸新聞)

 

10月28日(日)介護入門研修、16都府県のみ 中高年ら対象に4月導入
 介護の人手不足対策の一環で、経験のない中高年らを介護職場に呼び込もうと厚生労働省が自治体に要請している「入門的研修」を来年3月までに開催するのは47都道府県のうち16都府県にとどまることが28日、分かった。介護職に関心を持ってもらい就労の促進を図ろうと4月に導入されたものの出足は低調だ。安倍政権は外国人労働者の受け入れ拡大と同時に国内人材の確保にも力を入れるが、思惑通りに進まない実態が浮き彫りになった形だ。
 研修は、介護サービスの内容や認知症予防に役立つ体操を学ぶ基礎講座と、入浴や食事といった生活支援の基本的な方法や認知症の症状を理解する入門講座で構成。                                  (デーリー東北)

 

10月29日(月)<入管法改正案>外国人労働者どうする 業界から不安、要望
 外国人労働者受け入れ拡大に向けた入管法改正案などに対する自民党法務部会の審査では、人手不足にあえぐ業界団体からの要望が相次いだ。各業界の担当者らは口々に将来への不安や国の支援の必要性を訴えた。
 23日にあった同部会。受け入れ拡大に向けて新たに創設される在留資格の対象として検討されている14分野のうち、建設▽造船・舶用工業▽農業▽介護▽宿泊▽外食▽素形材産業−−の7分野の計11団体が参加した。
 日本建設業連合会の山本徳治事務総長は「日本人の処遇(待遇)改善に、外国人が入ってきて水を差すことがないようにしてほしい」「建設現場は大変危ない。必要な安全教育や技能指導ができるだけの日本語能力をお願いしたい」などと要望。さらに「建設業は仕事が減ることも考えられる。(職を失って)不法滞在になった技能者に対してどのように対処するのかも明らかにしてほしい」とも訴えた。
 全国農業会議所の柚木茂夫専務理事は「(新たな在留資格に)現場の大変な期待があるが、一方で、地域住民とのトラブルや治安の問題など懸念の声も少なくない」と指摘。同会議所は政府にそうした懸念の払拭(ふっしょく)を求めており「受け入れ環境整備は万全の対応を求めたい」と訴えた。
 介護分野では2国間の経済連携協定(EPA)に基づきインドネシア、フィリピン、ベトナムから介護福祉士候補者を受け入れている。全国老人保健施設協会の平川博之副会長は「ベトナムは今年の(介護福祉士の)国家試験合格率が93.7%で、日本人よりも高い。いかに日本語教育をしっかりやったかということだ」と強調。その上で「日本の高齢者に良いサービスを提供する上でも、とりわけ入国後の日本語(教育)への支援をお願いしたい」と述べた。
 各分野を所管する省庁は、29日にあった公明党の法務部会と「新たな外国人材の受け入れと対策本部」の合同会議でも、人手不足の実態を説明。介護=8月の有効求人倍率が3.97倍で5年前より2ポイント以上上昇▽製造業=昨年12月の調査で94%以上の大企業・中小企業で人手不足が顕在化▽宿泊=就業者の3割以上が60代で退職による大幅な就業者減の見込み−−といった現状が紹介されたという。     (毎日新聞)

 

10月29日(月)90代入所者に「死ね」 老人ホームに立ち入り調査
 愛知県北名古屋市の老人ホーム「アグレにじ北名古屋」では、いずれも60代の女性看護師と女性介護職員が90代の男性入所者に「死ね」と暴言を吐いたり、おむつ交換の際に額を手でたたいたりしていたことが先月に分かりました。男性入所者にけがはないということです。施設側は「人員不足による職員のストレスがあったと思う」と話し、すでに市に改善計画書を提出しています。                (テレ朝日ニュース)

トップへ戻る